主催:サイエンス&テクノロジー株式会社
料金:35,200円
講師:平井 義彦 氏
概要:
<セミナー趣旨>
ナノインプリント技術は提唱されて20年余が経過し、これまでの研究成果の産業化が急速に進められている。従来技術と比較して安価で効率的にナノ構造を作製できるナノインプリント技術は、ナノテクノロジーを具現化する有力な微細加工技術である。
ナノインプリント技術には、熱・光ナノインプリントをはじめ多様な方式があり、応用に適した方式が用いられ、それらに対応した、材料技術、装置技術、応用技術が展開されている。半導体リソグラフィ技術の代替としての役割を担うUVナノインプリント、従来の微細加工では成しえない多様な機能性材料を直接ナノ加工する熱ナノインプリント、複雑な3次元構造や積層構造を実現するリバーサル・ナノインプリント、ハイブリッド・ナノインプリントに大別できる。
ここでは、熱・UVナノインプリントの基礎となるメカニズムについて述べ、プロセスの設計や欠陥に対応できる技術的な基礎知識を身に着ける。さらに、欠陥の低減や離型技術について、その原理から実践的応用について述べる。
また、ナノインプリントの応用技術として、拡張現実や反射防止構造などの光学応用技術、抗菌表面やバイオセンサーなどのバイオ応用技術など、最新の事例を含めて多様な応用展開について紹介する。さらに、ディープラーニングを駆使したプロセス・材料の最適化についても紹介する。
<セミナー講演内容>
1. ナノインプリント法の概要
1.1 熱ナノインプリントの基礎
1.2 光ナノインプリントの基礎
1.3 ナノインプリントにおける分子挙動と材料特性
2. モールド技術
2.1 モールド作製の基礎
2.2 曲面モールドの作製
2.3 レプリカ作製方法
3. 離型技術
3.1 モールドと基板の表面処理方法
3.2 離型の基本メカニズム
3.3 熱ナノインプリントとUVナノインプリントの離型性
3.4 樹脂収縮と寸法精度
3.5 離型方法と欠陥の低減
3.6 モールド材料の最適化
4. 三次元構造の作製
4.1 リバーサル・ナノインプリントによる三次元積層構造
4.2 ハイブリッドナノインプリントによる三次元マイクロ・ナノ混在構造
5. ナノインプリントの応用
5.1 光デバイスへの応用
5.1.1 マイクロレンズ
5.1.2 反射防止構造
5.1.3 波長板
5.1.4 ワイヤーグリッド
5.2 メタサーフェイスと表面構造素子
5.2.1 メタサーフェイス
5.2.2 構造色(モルフォブルー)
5.2.3 AR(拡張現実)ゴーグル
5.2.4 メタサーフェイス用材料・プロセス技術
5.3 バイオ・マイクロ流路デバイスへの応用
5.3.1 生分解性樹脂のナノインプリント
5.3.2 血液検査チップ
5.3.3 病理検査チップ
5.3.4 ドラッグデリバリーチップ
5.4 半導体・電子デバイスへの応用
5.4.1 VLSI応用
5.4.2 有機太陽電池
5.4.3 色素増感太陽電池
5.4.4 LED
5.4.5 フレキシブルデバイス
5.5 生体模倣構造への応用
5.5.1 撥水構造
5.5.2 撥油構造
5.5.3 潤滑構造
5.5.4 光学構造
6. 装置技術
6.1 熱ナノインプリント装置
6.2光ナノインプリント装置
6.3 ロールtoロール装置
6.4 離型装置
7. 材料技術
7.1 熱ナノインプリント用樹脂
7.2 光ナノインプリント用樹脂
7.3 モールド材料
7.4 離型剤
7.5 材料特性の測定・評価
8. 今後の展開と課題
8.1 これまでの研究動向
8.2 シーズとニーズのマッチング
8.3 装置・材料のカスタム化
8.4 最近の学会報告から
8.5 まとめ
□ 質疑応答 □
注) セミナーでは、相互に関連する項目については、順を適宜入れ替えて一括して解説します