主催:サイエンス&テクノロジー株式会社
料金:35,200円
講師:大庭塾 代表 大庭 敏之 氏 / 金沢工業大学 大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻 教授 影山 裕史 氏
概要:
第1部 今後の自動車と求められるプラスチック材料の動向
2021年のCOP26では温暖化効果ガスの排出、実質ゼロを宣言した国は140か国を越えたという。世界の一致した目標になり動き出している。この動きの中で新車販売をすべて排出ゼロのゼロエミッション車にすることまでは合意はされなかったが、多くの国や企業は賛同している。欧州では電気自動車が急増しているが2050年に向かってどのように変化していくだろうか。また、電動化が流れだとすればプラスチックはどのように使われてくるだろうか。エネルギーを効率よく使うためには軽量化も今まで以上に求められてくるがプラスチックの役割はどのようになるだろうか。従来からプラスチックの適用が多い内装材はどのように変化していくだろうか。将来の姿を考えながらプラスチックへの期待について述べてみたい。
1.自動車を取り巻く環境の変化
1.1 世界の温暖化防止への動き
1.2 温暖化防止に向けた自動車の取り組み
1.3 自動車に使われるプラスチックの変化
2.電動化に対してのプラスチックの適用
2.1 リチウムイオン電池へのプラスチック
2.2 高熱伝導絶縁材料
3.軽量化に対してのプラスチックの役目
3.1 モジュール化へのプラスチック適用に対しての効果
3.2 CFRPによる軽量化
3.3 マルチマテリアルへの期待と接着剤の貢献
4.内装用プラスチックは高級化への期待
4.1 高触感への取り組み
4.2 美観を演出するプラスチック
4.3 付加価値を付加する
5.まとめ
5.1 エネルギー効率から見た次世代車
5.2 プラスチックに対しての期待
6.質疑応答
第2部 自動車分野における高分子複合材料技術動向とマルチマテリアル化展望
2050年ゼロエミッション化が宣言された。そのためには、まず、自動車を取り巻く環境の変化を理解し、将来の自動車の姿を予想し、その構成材料のあるべき姿と動向を見ることによる課題の整理が必要。CO2環境問題に対し軽量化は必須でありCFRPやアルミのような軽量材料が注目される。
ただ、2030年以降は、軽量化だけではなく、本格的なLCA対応が急務になる。そのためには、カーボンニュートラルのバイオマスプラスチックの出現が期待されるが、バイオマスプラスチックは強度的に低く、セルロースナノファイバー等の強化が有効になると考えられる。更には、信頼性やコストなどの面から、金属も含めたマルチマテリアル化が極めて重要な位置づけとなることが予想される。ここでは、その動向と展望を紹介しながら、将来自動車用複合材料を議論したい。
1.自動車を取り巻く環境の変化
1.1 地域社会や循環型社会に適合したモビリティ
1.2 モビリティだけではなく、将来のビジネスモデルに挑戦
2.自動車構成材料の動向
2.1 鉄はいまだに主要材料
2.2 軽量材料(アルミ、樹脂、複合材料)
3.自動車構成材料の今後(~2030年)
3.1 緊急課題と軽量化
4.自動車構成材料の今後(2030年~ )
4.1 本格的LCA(CO2排出量低減)の追求
4.2 マルチマテリアルの必要性
4.3 マルチマテリアルの課題
5.まとめ
6.質疑応答